【6112】小島鉄工所MBO 物言う個人投資家

個別株式

小島鉄工所MBOの概要

買付者 :児玉本社株式会社

買付価格:普通株式1株につき570円

買付期間:2020年6月29日(月曜日)から2020年8月12日(水曜日)まで(30営業日)

買付予定株券等数:買付予定数 999,050株 下限 669,976株

発行済み株式 1,003,564株中 公開買付応募契約締結済み株式291,401株 (29.17%)

マジョリティオブマイノリティ条件:

公開買付者の利害関係者以外の株主の過半数の賛同(329,075株の応募株式)が得られない場合には、少数株主の意思を重視して、本公開買付けを含む本取引を行わないとのこと。

https://kojimatekko.co.jp/ir/pdf/2020.06.26-3.pdf

MBO公表後の値動き

6月26日のMBO公表以降現在(7月9日)まで1度も570円を付けておらず、最高値742円まで上昇した。今回のMBOの理由の一つとして、時価総額基準に抵触したことがあげられることからも分かるように、時価総額はわずか5億円程度。更に創業家や銀行を含む固定株主が約半数を保有しているため、少々資金力のある投資家なら浮動株を買い占めることが出来る。そのため、TOB価格引上げの思惑につられた個人投資家に高値掴みさせるための、ある種の仕手的な銘柄だと認識していたが、7月8日の引け後に出された大量保有報告書により、状況は変化した。

物言う個人投資家の登場

7月8日の引け後に播磨 利彰氏から大量保有報告書が提出された。報告によると、播磨氏は既に2.68%保有しており、7月1日に市場内で72,800株(7.25%)を取得したとのこと。更にもう一人の投資家である橋本 洋平氏も2.67%→3.29%まで市場で買い増しを行っている。2人は共同保有者となっており、その持ち分は13.22%。保有目的は以下のとおりである。

私たちの査定では当社は時価にして20億以上の不動産を保有しており、直近の四半期決算によれば現金、手形合わせて22億保有している。負債の合計は22億のため、差し引きすると一株当たりの資産価値は2000円以上あると推測できる。しかし、この度の公開買い付け額は570円と資産価値に対して大幅な安い価格となっており、株主として到底納得できるものではない。公開買い付けの不成立を目指すため保有比率を高めるとともに、経営陣へ公開買い付け額の大幅な引き上げを要求する。

物言う個人投資家が現れたのはかなり珍しいケースである。アクティビストは何かと煙たがられがちだが、株主としての権利を行使し、提案等を行っていく事は株式価値の向上に貢献する。その様な活動が個人投資家レベルまで浸透し始めてきたことは、非常に喜ばしい事であり、今後、後に続く投資家が出てくることを期待している。

個人投資家の買い増し (7/9~)

7月9日の引け後、播磨氏から変更報告書が提出された。

播磨氏は7月2日に市場内で39,300株(3.92%)買い増しし、共同保有持ち分は17.14%となった。


7月13日の場中、播磨氏から変更報告書が提出された。

播磨氏は7月3,6,8日に市場内で25,000株(2.49%)買い増し,橋本氏は7月3,7,8日に市場内で7,500株(0.75%)、買い増ししたことにより、共同保有持ち分は20.38%となった。

公開買付条件変更(8/4)

8月4日引け後、買付条件の変更が発表された。内容は、期間の延長のみ(8/12 → 8/19)

7月中の平均時価総額および月末の時価総額が5億円以上となったため、名古屋証券取引所の定める上場廃止に係る猶予期間入りの指定が解除されたが、これは本MBOの実施に伴う株価上昇によるものであり、厳しい事業環境に変わりは無く再度上場廃止基準に抵触する恐れがある為、本MBOを実施するに至った背景、目的などに変更はないとのこと。

公開買付条件変更(8/5)

8月5日引け後、買付条件の変更が発表された。内容は買付価格の変更(570円 → 620円),期間の延長(8/19 → 8/20)

今回の価格上乗せをもって、上記の2名の個人投資家との間で応募契約が締結されたため、本MBOの成立はほぼ確定的。

7月17日に上記個人投資家より提出された訂正報告書では、「当社は20億以上の不動産を保有しており~」の文章が削除され、「買付価格の上乗せを求める」へと変化していた。これは恐らく、小島鉄工所との間で協議がなされていたためだと考えられる。

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