【7703】川澄化学工業TOB ふとっぱらプレミアム?

個別株式

川澄化学工業TOBの概要

買付者 :【4203】住友ベークライト

買付価格:普通株式1株につき1,700円

買付金額:27,038,804,300円

買付期間:2020年8月3日(月曜日)から2020年9月30日(水曜日)まで(40営業日)

買付予定株式数:買付予定数 15,905,179株 下限 9,015,900株 上限なし(全株取得)

フェアネス・オピニオンは取得されていないが、大和証券及び野村證券(第三者算定機関)より株式価値算定書を取得済み。(報酬は、本TOBの完了を条件に支払われる)

マジョリティオブマイノリティ条件:有り
応募株数が買付予定数の下限(9,015,900株)に満たない場合には、応募株券の買付け等を行わない。

TOB前の値動き

事前にTOB情報が漏れていたということは無さそうだ。

業績・財務情報及び株主構成

株主名比率(%)株式数
住友ベークライト20.754,762,000
自社(自己株口)9.932,279,800
旭化成メディカル4.361,000,000
MLIジェネラル・オムニ・ノンコラテラル・ノントリーティPB3.7848,000
三井住友銀行3.16725,000
森六ホールディングス2.67612,000
伊予銀行2.19502,000
大分銀行2.19502,000
ステート・ストリート・バンク&トラスト・オムニバス(OM02)5050022.07476,000
川野幸博1.84423,000
川野安博1.68386,000

住友ベークライトが2割程度保有しており、全株取得による完全子会社化に踏み切った。持分法適用会社でも買収の可能性があるという点がポイント

売上高は減少傾向にあり、会社予想ではここから持ち直す予想。営業利益は直近で約6億、会社予想では10億程度となる見込みであった。

同社保有の現金同等物は206億円、有利子負債は0、いわゆるキャッシュリッチ企業である。

買付価格について

ここで今回の買付価格について考えてみる。概要にも書いたように買付価格は1,700円なので、TOB公表日の終値は784円なので直近株価に対するプレミアムは117%。相当奮発した様にも見えるが、実際のところはどうなのか。

市場株価平均法:805円から930円 (当日終値、直近5日、1,3,6ヶ月)

類似会社比較法:1,365円から1,739円 (比較対象となった企業は不明)

DCF法    :1,580円から1,909円(野村)

        1,513円~2,358円(大和)

DCF法では、2021年3月期から2025年3月期までの事業計画に基づく収益予測や投資計画、一般に公開された情報等から株価が算出されている。


今回の件では、類似会社比較法・DCF法による算出株価に比べ、市場株価平均法による株価が特に低い点が目立ったが、適切な価格での買付が決まった。この背景には同社の保有する豊富な現金同等物の存在が考えられる。あまり安い金額でTOBを仕掛けると、市場から反発を買い、TOBが難航する恐れがあるため、最初から適切なプレミアムを付けて買収に臨んだのだろう。

私見・学んだこと

買収金額は270億円で、この金額から同社の保有する現金同等物を引き算すると64億。買収価格から現金の価値を引いた64億円が同社の事業価値ということになる。営業利益が7~10億の会社なので、良い買い物だと思った。

親子上場解消によるTOB銘柄を先回りするには
・持分法適用会社でも買収の可能性有り
・キャッシュリッチかつPBRが低い銘柄はチャンス
・類似企業比較法、DCF法での算出株価に比べ市場平均法が低い時はチャンス

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