TOPIX組み入れ 買入当日の値動き

リサーチ

TOPIX組み入れとは

 東証一部に上場される全銘柄で構成される指数TOPIX、その構成銘柄は新規上場や1部鞍替えなどにより日々、頻繁に入れ替わっている。新たに東証一部に加わった銘柄がTOPIX指数の算出に追加されることをTOPIX組み入れと呼ぶ。

組み入れのルールは、東証指数算出要領に記載されている通り、
1部へ新規上場の場合、上場日の翌月の最終営業日
1部への上場市場変更の場合、指定日の翌月の最終営業日
に指数に組み入れられる。(その他の場合も有るが今回は省略)

 指数組み入れ前日に、組み入れ対象の銘柄の出来高が急増し、値動きが激しくなることはご存じの方も多いと思うが、その理由を簡単に説明すると、TOPIX指数に連動するように設計されたインデックスファンドは20以上存在し、それらのインデックスファンドがTOPIXに連動する理由は、そのファンドのポートフォリオがTOPIXの構成比と近くなるように、日々売買を繰り返されているからである。
 よって、組み入れ対象の銘柄を購入しなければ、そのインデックスファンドの値動きはTOPIXのそれに連動し辛くなるため、それぞれのファンドにおいて、買い需要が生まれるからであり、買い入れのタイミングは組み入れ前日の大引けに集中しているからである。(組み入れ前日までに購入しなければ、指数への連動性が失われる)

2021年2月の組み入れを例に

 2021年2月末の組み入れでは以下の銘柄が新たにTOPIXに加わることとなった。

コード銘柄名指定日
2804ブルドックソース2021/1/14
4434サーバーワークス2021/1/15
4443Sansan2021/1/21
6502東芝2021/1/29
6556ウェルビー2021/1/14
9055アルプス物流2021/1/21

 上記6銘柄はいずれも2021年の1月中に東証1部への鞍替えが決まったため、指定翌月の最終営業日(2月26日)にTOPIXへ組み入れられた。
これらの銘柄の日足チャートを見てみよう。

 画像内の赤枠で囲った部分がTOPIX組み入れ前日の値動きと出来高である。
いずれの銘柄も大商いであった他、上下に長めのひげが有ったことからも値動きが激しかった事が分かる。
この様に、TOPIX組み入れにおけるインデックスファンドの買い入れは、インパクトが大きいことが分かる。

…ここまでは、既に多くのブログに取り上げられている。

StockDataCenterでは、更にもう一歩踏み込んで分析してみることにした。

TOPIX買い入れ 当日の値動き

 上に掲載した日足チャートの例では、TOPIX組み入れの前日、すなわちファンドの買い入れ日に出来高が急増し、値動きも激しくなることがお分かりいただけたと思う。
 次に掲載する6つのチャートは、買い入れ日の14:00~14:59までの1分足チャートである。先ほどの日足チャートの中身をより詳細に見てみようというものである。

 すべての銘柄において、14:40過ぎから出来高が増加し、株価も上昇することが判明した。
40分以降にどの程度上昇するのか、正確に予測することは困難だが、この6つのチャートからは
40分以降の出来高が、14:00~14:40までの平均出来高を大幅に上回る場合(2倍以上?)、
ごく短期的に大きく上昇する可能性が有ると言えるだろう。(時価総額の大きい銘柄は除く)
ちなみに今回条件に当てはまった3銘柄 (2804 ブルドック , 4443 Sansan , 9055 アルプス物流 )は、いずれも5%以上上昇した。
40分以降においてもあまり出来高が増加しなかった銘柄でも、株価の上昇は確認されたが、およそ1%程度の上昇に留まったため、出来高の多寡がパフォーマンスに大きな影響を与える事は明白だろう。

また、株価の上昇は引けにかけて続く訳ではなく、遅くとも55分までに終わる傾向に有り、59分限って言えば、利益確定売り等も相まってか激しい値動きとなりやすい事が分かる。

最後に、大引けの株価・出来高を入れなかった理由は、引けにおける出来高が日中と比較して圧倒的に多いことで、その出来高をチャートに入れてしまうと、縮尺が崩れて傾向が見にくくなってしまうからである。

Betmob|投資家ブログまとめメディア


リサーチ
フォロー・いいね・RTされたらめっちゃ喜びます‼
茶間をフォローする
StockDataCenter
タイトルとURLをコピーしました