グローバルニッチトップを株式投資に活かす方法

リサーチ

グローバルニッチトップとは

経済産業省が、世界市場のニッチな分野を勝ち抜き、世界的に必要とされている部品や素材を提供している優良な企業113社をグローバルニッチトップ企業100選として選出したもの。

2013年にも同様の選出が行われたが、7年が経過した今、デジタル経済の進展や世界の政治経済情勢の変動、少子高齢化のような社会構造変化など、日本企業を取り巻く事業環境が変化し、競争が激化している現在の環境を踏まえて、再び選出された。

選出方法は、2020年度版グローバルニッチトップの公募に応募した企業の中から、

  1. 世界シェアと利益の両立
  2. 技術の独自性と自立性
  3. サプライチェーン上の重要性

以上の点などに着目し、外部有識者で構成される選定評価委員会の審議を経て選定された。

今回は、このグローバルニッチトップ100選を株式投資に活かすという趣旨で行っているため、100選の中でも上場企業に的を絞って分析を行った。

最高の成功例から学ぶ

まず初めに、株主目線から見て最も成功した企業である 【6920】 レーザーテック を紹介する。同社は、主に半導体欠陥判定装置を製造するメーカーで、半導体マスク検査装置の世界シェアは約8割、マスクブランクス検査装置の世界シェアはなんと100%! 圧倒的なニッチトップ企業だ。

早速だが株価と業績の推移とを見てみる。

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source: 株探、バフェットコード

株価は見事な右肩上がりで、2016年の最安値からはおよそ40倍も上昇した。売上高は2013年からおよそ4倍程度まで成長する見通しとなっており、営業利益率は20%後半から30%程度と驚異的な数字を安定的に叩き出している。

この銘柄から分かる大化けのポイントを簡単にまとめ、それぞれの項目についての説明を下に記述した。

・高シェア製品が売上高の大半を占める
・時流に乗ったビジネス
・極めて高い営業利益率(20%以上)
・高い参入障壁
・低い時価総額

高シェア製品が売上高の大半を占める

レーザーテックの売上高の約7割は半導体関連装置の販売代金となっている。ここで言う半導体関連装置とは主に、マスク欠陥検査装置、マスクブランクス検査装置の事を指しており、マスク欠陥検査装置市場でのシェアは約80%、マスクブランクス検査装置市場でのシェアは100%となっている。その他、FPD用マスク欠陥検査装置やEUV関連、ウェハ関連装置も高いシェアを誇っている。

この様に、高いシェアを誇る製品が多いのは、同社が掲げる「マルチ・ニッチ・トップ戦略」によるもので、長年に渡ってニッチ市場の裾野を広げてきた結果だ。

マルチ・ニッチ・トップ戦略とは
・大手が参入しにくいサイズのマーケット・セグメントで最適解を提供(大きいマーケットはその中で有利なマーケット・セグメントを狙う)
・そこで高いマーケットシェアを獲得する
・次に隣のマーケット・セグメントに広げていく

レーザーテック社 決算説明資料より

高い参入障壁

マルチ・ニッチ・トップ戦略にもあった様に、市場がさほど大きくないために大手には参入するメリットがあまり無い事が、高い参入障壁につながっている。更に、同社の群を抜く技術やノウハウがその障壁を更に押し上げている。

マスク、マスクブロンクス欠陥装置市場はほぼ同社が独占しているが、その市場規模は多く見積もっても300億円程度(19年現在)であるため、他社が多額の設備投資・研究開発を行い参入するメリットがない。

更に同社は売上の10%を研究開発費に回し、将来への種まきを絶えず行っている。それは定期的に新製品のお知らせが更新されている事からも伺える。

また、シリコン基板に回路を書き込むときに使われるフォトマスクの材料であるマスクブランクスは、近年の技術の進歩により書き込まれる回路の幅が原子レベルの細さとなっている為、欠陥の無い高品質なものが要求されている。要するに原子レベルの欠陥を検出できる装置が必要とされているが、これを可能とする技術力のある会社はなかなか存在しない。正に技術・経験による参入障壁が築かれている。

以上の様に、他社がほぼ存在せず、高い技術力が必要とされ、無くてはならない製品のため、利益をしっかりと乗せることができ、極めて高い営業利益率を長年に渡って維持し続けている。

低い時価総額

大化け株を狙う時、時価総額は必ず意識すべきポイントだ。例えば時価総額が既に2,000億円ある場合、もし10倍になれば2兆円企業となる。では、200億円の会社が10倍となった場合は? 答えは2,000億円

株価は同じ10倍でも、後者の方が可能性が高い事はお分かりいただけると思う。

第2のレーザーテックを探す

グローバルニッチトップから将来の大化け株を探すには、先ほどレーザーテックの例で学んだ5つのポイントに良く当てはまる銘柄を探せばよい。

・高シェア製品が売上高の大半を占める
・時流に乗ったビジネス
・極めて高い営業利益率(20%以上)
・高い参入障壁
・低い時価総額

以下のボタンから、7月29日時点での時価総額、営業利益率、証券コードを追加したグローバルニッチトップ企業のリストをダウンロードして、自分だけの銘柄を発掘してみてほしい。

最後におまけとして、とっておきの銘柄を1つ紹介する。

【3446】 ジェイテックコーポレーション

同社は、世界中の放射光施設やX線自由電子レーザー施設で使われる高精細ミラーの製造メーカーであり、高精細ミラーの中でも最先端技術が取り入れられる放射光施設向けの市場で高いシェアを誇る。同社HP上には「グローバル・ニッチトップのモノづくり企業を目指し、果敢な挑戦を続けてまいります」との文言があるため、意識的に戦略を取られている事がわかる。

同社の強みはミラー表面を1ナノメートル以下の精度で加工できる技術で、同業他社に比べてその精度は10倍以上に及ぶ。この技術力が参入障壁となっている他、高シェア製品である高精細ミラーの売上が全体の9割以上を占めているため、高い営業利益率にもつながっている。

ちなみに、売上の大部分を占めるミラーの販売先の95%は公的研究機関であるため、貸倒リスクがほぼ無い事も強みの一つだと考えられる。

更に現在(2020/7/29)の時価総額は168億であるため、この調子で成長が続くならば株価上昇余地もまだまだあるだろう。

ただ、19年度のEPSは56.9円であるため、慎重に検討して頂きたい。

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