常磐開発MBOの概要
買付者 :エタニティ株式会社
(常磐開発会長佐川氏の資産管理会社 本MBOを目的とし20年10月設立)
買付価格:普通株式1株につき7,800 円
買付期間:2020年11月16日(月曜日)から2020年12月28日(月曜日)まで(30営業日))
買付予定株式数:買付予定数 783,966株
下限:522,700株(所有割合:66.67%) 上限:なし
本TOBに必要な資金は、みずほ銀行からの 65億3,400万円を上限とした借入れを予定。
(買付予定数 783,966株 × 買付価格 7,800円 = 61億1千万 + 手数料等諸経費?)
買付予定数の下限である522,700株は、発行済株式総数 785,000 株から、自己株式と応募予定株式の合計 105,734 株を除いた679,266株の過半数に相当する339,634株(マジョリティ・オブ・マイノリティに相当)に、応募予定株式の105,734 株を加算した444,334株を上回る。
第三者算定機関 トラスティーズ・アドバイザリーによる株式価値の算定(固定報酬)
市場株価法 : 5,482円~5,900円(算出期間:11月12日までの1,3,6カ月)
類似公開会社比準法: 6,812円~8,458円
(徳倉建設株式会社、株式会社守谷商会、佐田建設株式会社、金下建設株式会社を選定、事業価値に対するEBITDAの倍率を基に算出)
DCF法 : 7,149円~8,520円(算出期間:2021/3 ~ 2027/3)
割引率:9.93%~11.93%、 残存価値の算定は永久成長率モデルを使用し永久成長率は-0.50%~0.50%を使用。
財務予測には大幅な増減益を見込む事業年度は含まれない。
フェアネスオピニオン無し
株主構成は以下の通り
株主 | 保有割合 | 保有株数 |
常磐興産 | 12.74 | 100,000 |
SSBTCクライアント・オムニバスOM02505002 | 9.17 | 72,000 |
常陽銀行 | 4.97 | 39,000 |
東邦銀行 | 4.97 | 39,000 |
みずほ銀行 | 4.97 | 39,000 |
BNY・GCMクライアントJPRD・ISG・FEAC | 4.33 | 34,000 |
常磐共同ガス | 3.82 | 30,000 |
WESTERRN GATE GROP | 3.57 | 28,000 |
インタラクティブ・ブローカーズ | 3.18 | 25,000 |
秋田銀行 | 3.18 | 25,000 |
自社(自己株口) | 0.13 | 1,000 |
外国法人と金融機関合わせて50%以上を保有しているため、彼らがTOBに応募するか否かが今回のTOBの成否に大きな影響を与えそう。国内金融機関は関係維持のためTOBに応募するかも?
応募合意株主は以下の通り
株主 | 保有割合 | 保有株数 |
常磐興産 | 12.76 | 100,000 |
佐川 藤介氏 | 0.59 | 4,600 |
篠原 浩氏 | 0.01 | 100 |
合計 | 13.36% | 104,700 |
資産状況は以下の通り
資産合計額16,126百万円の内25.4%にあたる4,104百万円が固定資産、74.6%にあたる12,023百万円が流動資産となっている。流動資産の内訳は、現預金が半分程度、受取手形・売掛金が1/4程度、販売用不動産その他が残りを占める。固定資産の内訳は、有価証券、土地、建物、機械に分散されている。
流動資産の大半が現金であり、その他換金性の高い受取手形や未収金、有価証券などを合計すると、10,999百万円程度存在し、また、換金しづらい資産につき8掛けで評価した上で負債額6,414百万円を減算し、低く見積もったとしてもBPSは10,000円以上は存在すると考えられるので、7,800円という買付価格は低く思われる。
一方で直近の業績としては、売上高は横ばい、利益率は悪化しているため、その点を考慮する必要はあると考えられる。
PBRが低いTOBの過去の事例はこちらをご覧ください。
公表直前の値動き
発表直前の値動きは以下の通り。値動きからは特に疑惑は感じなかった。