【6347】プラコー 再び乗っ取り危機か?

個別株式

今回は、JQS上場 6347 プラコーを取り巻く現状、及び今後の展開をざっくりまとめた。

プラコーについて

1960年設立、本社を埼玉県さいたま市に構えるプラスチック成形機・リサイクル装置製造メーカーである。業績は、確認できる範囲では97年3月期の売上62.98億をピークに、20年3月期の売上は29.5億、経常利益は4.9億と長期に渡り低迷しているものの、プラスチック成型機の売れ行きも好調で2009年以降は安定して利益を積み上げており、業績は着実に回復している様子である。

決算期売上高営業利益経常利益当期純利益EPSBPS
2007/033,4031871235821.6円222.3円
2008/033,8657917176.3円236.3円
2009/032,981-128-181-604
2010/032,4307-42-4817.4円
2011/032,55888604416.4円33.6円
2012/032,340977210739.9円77.9円
2013/032,9524126217.8円87.3円
2014/033,07614912610438.7円125.5円
2015/033,46541715219.4円148.9円
2016/033,4571291259234.3円183.3円
2017/033,69526426526297.6円260.5円
2018/033,42820721315256.6円313.8円
2019/032,990401401272101.3円410.5円
2020/032,952470489282105.0円507.7円

そのような中、2016年に1度目の「乗っ取り騒動」が同社を襲った。
内容については、上記の記事を参考にしていただきたいが、簡単に説明しておくと、フクジュコーポレーションがプラコーに対して行った株主提案の内容は、取締役5名及び監査役1名の選任で、この中にプラコーの当時の現任取締役は含まれていなかった。

業績が回復しているタイミングで、上記の株主提案を行う理由が不可解である上、提案すら行っていない株主還元策についてプラコーが発表しなかった旨の虚偽の回答を行った。更に、同時期に反社会的な組織と関係を持つと言われている人物による大量保有報告書が提出されている。なお、フクジュはこの件に関して同氏と協力関係に有ることを認めている。

では、有限会社フクジュコーポレーションとは一体どの様な企業であるのか?
提出された大量保有報告書によると同社は東京都中央区日本橋に本社を構えるとされており、確かに存在した。

代表は井手 和成 氏
同氏はフクジュの他にケイアイコーポレーション、フェニックスホールディングスの代表も務める。
しかし、フクジュを含め3社とも何を生業としているかについては一切明らかにされていない。

ただ、3社とも過去に大量保有報告書を提出しているため、どのような企業の株式を保有したかについては記録がある。
フクジュについてはプラコーの他にはFHT(旧ジオネクスト)
ケイアイは、セイクレスト、DDS
フェニックスホールディングスは、大量保有報告書は確認されなかったが、ゼクスのDESに関わっていた。
 同氏は、いわゆる仕手銘柄に多く絡む”仕手筋”と言われている。

今後の展開

ここで、株価を確認する。

6347 プラコー 日足 2020/3~

コロナショックで510円の安値を付けた後、最高値1921円とおよそ4倍程度上昇した。果たしてこれは業績が改善した事による上昇だろうか? 私はそうは思わない。その理由を説明する。

今年5月に買収防衛策が導入され、7月27日にフクジュによる臨時株主総会の招集請求がなされた。その後、9月8日にさいたま地裁で招集請求に許可決定が下されたため、11月中旬に臨時株主総会が開催される。

臨時株主総会では、以下4点について採決される。
(1)買収防衛策廃止の件
(2)プラコー現取締役4名解任の件
(3)取締役の員数に係る定款一部変更の件
(4)(フクジュ側)取締役5名の選任の件

しかし、この臨時株主総会を招集した張本人であるフクジュコーポレーションが、直近で株式を売り抜けているのである。フクジュは2015年の変更報告書(保有比率18.44%)を提出して以降株式を売却し、2020年9月現在12.2%まで持ち分比率が低下した。

株式を売却している最中にも関わらず臨時株主総会を招集するのは極めて不自然だ。
なぜなら、株主総会で上記の議案を可決させるつもりであるならば、総会までに1株でも多く保有しておきたいはずであるからだ。プロキシーファイト(委任状争奪戦)と言って株を集めようとする動きが起こるケースも存在する。

では、今回の臨時株主総会での採決はどの様になるのかを考えてみる。

現在の大株主は以下の通りで、
・(有)フクジュコーポレーション  333,700株 12.20%
・フボン・セキュリティーズ(台湾) 335,500株 12.27%
・浅沼潔(令和キャピタル)   205,900株  7.53%
・西村治彦           181,700株  6.64%
・松浦健            135,500株  4.95%
・和円商事           105,300株  3.85%
・安本匡宏            95,000株  3.47%
・自社共栄会           74,400株  2.72%
・自社従業員持株会        64,806株  2.37%
・黒澤秀男            63,317株  2.32%
・秦範男             59,294株  2.17%

会社関係者持分の16.22%に加え、フボンの12.27%はおそらく否決、フクジュはもちろん賛成、それ以外は見当もつかないが、今年の株主総会で買収防衛策が65.3%賛成をもって導入された事を考えると、上記の議案はすべて否決される。
 令和キャピタルについては、今年7月に大量保有報告書が提出され、持ち分を増やしている。根拠は無いが、このタイミングで、1日の平均出来高が1万株を切る流動性の低い銘柄であるにも関わらず大量保有報告書を提出するレベルで買い進めるのは、何らかの情報を握っている可能性も有るとも考えられる。
 ちなみに令和キャピタル 浅沼氏は8月24日、アビックス株を市場外で短期大量譲渡しており1億8千万円の現金を受け取っている。

以上の一連の流れから、今回の臨時株主総会の招集は、フクジュコーポレーションが高値で売り抜けするための仕掛けであると考えられる。既に吊り上げられて高値圏である上、掲示板やツイッターでは投資顧問や煽りアカウントによる煽りが始まっており、極めて危険な雰囲気が漂う。

今後は11月の臨時株主集会付近まで、「プロキシーファイトが~」「買収防衛策が否決されたら~」などの煽りが続く事が予想されるが、相手にするのは極めて危険である。今年行われた株主総会での結果から、臨時株主総会の結果は明白なので、短期的にはまだまだ上昇する可能性はあるが、売り抜けられる危険性が常に有ることを理解して頂きたい。

(2020/11/07 追記)
→臨時株主総会で役員の交代、買収防衛策の廃止が決まった以上は上記のシナリオではない事が確定した。共同で買付を行っていたとされる和円商事の本業はプラスチックなどを行っており、プラコーの業務内容と近い事から、今後プラコーの資産を”活用”するつもりなのだろうか。
ちなみに和円商事の法律顧問はカイロス総合法律事務所である。

2021年度株主総会での議決権行使状況

2020年6月25日に開催された定時株主総会の結果は以下の通り。

賛成反対
第1号議案剰余金処分2190756
第2号議案買収防衛策導入150326931
第3号議案補欠取締役選任164265537
第4号議案補欠監査役選任164265537

第1号議案は配当に関する項目で反対票はほぼ存在しなかったことに対し、第2~第4号議案では反対票が大幅に増えている。この行使状況の違いから、会社と対立する者の保有率が大まかに理解できる。
第2号が第3,4号に比べて多いのは、買収防衛策が撤廃された方が自分に利益が有ると考えた投資家が多かったからだと考えられる。また、第3,4号議案に反対票を投じた投資家が、会社と対立する投資家であるのは間違いないだろう。

以上により、対立側の持ち分は25.2%であることが明らかである。(2020/06/25時点)
この保有状況が続くならば、臨時株主総会での結果も火を見るより明らかではないだろうか。

2020/09/14 大株主の一部売却

2020/09/24 12時頃、プラコー監査役かつ大株主である西村治彦 氏による変更報告書が提出された。内容は、保有する30,700株の売却(6.69% → 5.52%)
同日 引け後、50,000株を上限とする自社株買いが発表された。取得方法は市場買付

西村氏がなぜこのタイミングで株式を売却したのかについての理由は分からないが、ほぼ同時の自社株買いの発表は何らかの意味が有りそうである。

2020/09/17 水面下で大量買付行為が進行中?

2020/09/17  引け後、プラコー株式の大量買付行為への対応策に基づく当社独立委員会への諮問についての開示がなされた。

内容は以下の通り
・フクジュは招集請求等を他の株主らと実質的に共同して行っていた合理的な疑いがあることが判明。
・フクジュは、他の株主らと共同して、市場内において当社株式の買付けを行っている合理的な疑いが あることも判明。

以上の2点より、フクジュおよびその関連者が、本買収防衛策の手続を遵守せずに、大量買付行為を行っている可能性が高い事から、買収防衛策発動の是非等について独立委員会に諮問を行ったとのこと

なお、買収防衛策が実施された場合は、株主に対して新株予約権(買収者は行使できない)が無償で割り当てられ、大幅な希釈化が生じることにより、買収者の持ち分比率は低下する。

周瑜氏によると、買収防衛策の発動の可能性はほぼ無いとのこと。その根拠とは独立委員会への諮問の公表後の値動きであるようだ。

2020/10/16 買収防衛策発動にかかる独立委員会への諮問について

2020年10月16日引け後、大量買付行為への対応策に基づく当社独立委員会への諮問事項に対する中間答申が公表された。

内容は以下の通り

9月17日に公表された通りフクジュコーポレーションは
 ・招集請求等を他の株主らと実質的に共同して行っていた合理的な疑い
 ・他の株主らと共同して、市場内にて株式の買付けを行っている合理的な疑い

以上の点が明らかとなっており、買収防衛策の対象である「大量買付行為」を行っている可能性が高いと判断されたため、対抗措置(新株予約権の無償交付)の発動について独立委員会への諮問が行われていた。そこで本日、独立委員会から以下の内容の中間答申が公表された。
 ・フクジュが他の株主らと実質的に共同して買収防衛策の対象である「大量買付行為」を行っている  合理的な疑いがあるとの評価には妥当性が認められること
 ・フクジュらに対し、本買収防衛策に基づく手続を遵守するよう引き続き働きかけることを勧告する  こと

現段階では、手続きを守れと勧告しているに過ぎないが、次はいよいよ対抗措置の発動と考えられる。
くれぐれも煽りには惑わされないように注意していただきたい。

2020/10/20 臨時株主総会に関する事項・株主提案に対する反対意見

2020年10月20日引け後、臨時株主総会の開催日時及び場所等に関するお知らせ及び株主提案に対する取締役会の反対意見に関するお知らせが公表された。内容は以下の通り

臨時株主総会の開催日時及び場所等に関するお知らせについて

開催日時 :2020年11月6日(金曜日)午前11時
開催場所 :東京都千代田区神田錦町二丁目 2 番地1  KANDA SQUARE 3 階(CONFERENCE)
総会検査役 :弁護士 堀之内 幸雄(みずき法律事務所)弁護士 峯岸 孝浩(武蔵浦和法律事務所)

臨時株主総会の付議議案
第1号議案 買収防衛策廃止の件
第2号議案 取締役 黒澤秀男 解任の件
第3号議案 取締役 平石昌之 解任の件
第4号議案 取締役 早川 恵 解任の件
第5号議案 取締役 小沢剛司 解任の件
第6号議案 定款一部変更の件
第7号議案 取締役5名選任の件

株主提案に対する反対意見について

プラコー取締役会は、上記7議案全てについての反対を表明した。
第1号議案については、定時株主総会においてフクジュ等を除く約8割の株主の賛成をもって買収防衛策の導入が決議されたものの、定時株主総会からわずか 2 週間程度経過した時点でフクジュは買収防衛策の廃止を目的とした臨時株主総会の招集を請求した。しかし改廃を行うべき事情が生じていないため反対を表明した。
第2~7号議案については、
①現経営体制による経営改革の成果
②現在の経営陣が企業価値向上の観点から最適任であること
③本株主提案が承認可決された場合の事業継続リスク
④一連の施策が現経営陣の「保身」には当たらないこと
を理由に反対としている。詳しくは、株主提案に対する取締役会の反対意見に関するお知らせを参照されたい。

臨時株主総会の決議結果

2020年11月6日 11時から臨時株主総会が開催された。
第6号議案(定款変更)を除くすべての議案が可決された事により、買収防衛策の廃止現経営陣の解任新経営陣の選任が決定した。

当日の値動きは以下の通り。

ひとりごと

定時株主総会で約7割の賛成をもって買収防衛策が導入されたにも関わらず、半年もたたないうちに票がひっくり返るっておかしくありませんか?

個人的にはなぜ対抗手段として新株予約権の無償割り当てを行わなかったのかが疑問である。
また、今回の様に対抗手段も取られずに乗っ取りが成立してしまった以上、いとも容易く乗っ取り可能であるという前例が出来てしまったため、今後も同様の事例は多発すると思われる。

臨時株主総会の開催禁止の申し立てを何度も行っていた事を考えると、最後の最後まで抵抗していた事が伺え、大変胸が痛む。




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